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Psychoro
レポート

“セルフコンパッション”ってなに? (前編)

2019年9月22日

 

“自然×メンタルヘルスケア” の企画でもキーワードとして出てくる、セルフコンパッション

 

で、セルフコンパッションってなに!?

 

若手の専門家のお一人、今北先生に聞いてきました。


今北哲平:滋賀県出身。関西大学社会学部,鳥取大学大学院医学系研究科卒業。現在は総合病院精神科で勤務しており、日々の臨床においてセルフ・コンパッションを積極的に活用している。学会発表等も精力的に行なっている期待の若手

セルフ・コンパッション(Self-compassion)

日本語では,「自分への慈悲」「自分への思いやり」などと訳されていますが,そのままセルフ・コンパッションと表記されることが多いです。

最近では,生きづらさを軽くするための方法としてメンタリストのDaiGoさんが動画サイトで紹介したり,仕事のパフォーマンス向上のための方法として,マインドフルネスとともにビジネス雑誌で特集が組まれたりしていますね。うつ病や不安障害などの治療法としても注目されていて,海外ではたくさんの臨床研究が行なわれています。

 

 

“コンパッション”とは,相手の苦しみが和らぐよう願う態度のこと

そもそも,コンパッション(慈悲/思いやり)」とはどんなものでしょう?

コンパッションとは,ずばり「相手の苦しみを理解し,それを和らげたいと強く願うこと」で,時にはそのために起こす行動もコンパッションに含まれます。

(ここまでは,「なんとなくニュアンスはわかるけど・・」程度で大丈夫です。ご安心ください。)

 

例えば,あなたにとってすごく大切な人(Aさんとします)が,38℃を超える熱を出して仕事を休んでしまったとします。Aさんは一人暮らしで,周りに頼れそうな人はあなた以外にいません。熱が出た時,真っ先にあなたに連絡がきたのです。

さて,こういう時,どんな気持ちになったり,どんな行動をとったりしますか?

「大丈夫かな?」と心配になったり,「どうか早く治りますように」と願ったり,実際にそういうメッセージを送ったりするかもしれませんね。あるいは,水分や食べ物を差し入れするかもしれませんし,病院まで送り迎えをしてあげる人もいるかもしれませんね。

 

あなたの気持ちや行動が,Aさんの苦しみを理解し,それを和らげたいと願ってのものであれば,それが「コンパッション」なのです!

出典:<a href=”http://www.freepik.com”>Designed by rawpixel.com / Freepik</a>

 

 

自分にコンパッションを向けること=セルフ・コンパッション

コンパッションは,相手の苦しみにだけ向けられるものではありません。自分の苦しみに対してもコンパッションを向けることができます。それが,「セルフ・コンパッション」です。

どうでしょう、何かミスをした時に「最悪だ、いつも自分はこうだ。もうどうでもいい。」と,イライラしたり,落ち込んだりすることはありませんか。そして,そんな自分を奮い立たせようとして,さらに心にムチを打とうとしてしまうことはありませんか。

これを「自己批判」と呼びます。 

 

一方で,「またネガティブな自分が出てきたぞ。必死に頑張ろうとしてるんだな、自分。いつもありがとう。」という態度を向けるのがセルフ・コンパッションです。自分の苦しみに理解を示し,少しでも苦しみを和らげることでベストを尽くそうとしています。

ちなみに,コンパッションはありとあらゆる命に向けられるものです。虫,動物,植物,そして地球・・・。 温室効果ガスの排出でオゾン層が破壊されることに対し,「なんとかしなければ」と思う場合,それは“地球”や“地球に住む生命”に向けられたコンパッションと言えます。


 

さて、なんとなくわかりましたでしょうか、セルフコンパッション 。

 

え、でも、これって結局自分を甘やかしてるだけじゃないの??

 

そんな疑問も出てきそうですが・・・そういうわけでもないようです。

(続く)

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