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レポート

Grappo研究会で発表してきました!

2017年8月14日

暑い8月7日(金)、三宮で行われたGrappo研究会で発表してきました。
Grappo研究会とは、谷口が幹事をしている医療心理学をテーマに、研究者と臨床家、そして多職種が幅広く参加する研究会です。

規模はそこまで大きくないですが、臨床レクチャーや教育講演といった学習の部分と、研究計画発表を行なっており、運営側の自分が言うのもなんですが、魅力的な研究会です。

今回の研究会のプログラムは以下

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーGrappoとは
Grappoは、サイコオンコロジー、緩和医療、移植医療などを中心として医療心理学の研究を行う研究グループです。

.開会挨拶 Grappoとは      13:15〜13:20

.臨床レクチャー          13:20〜14:50

「赤ちゃんのいのちをチームで見守る:倫理的視点からの検討」
講師:宮田郁先生(大阪医科大学附属病院 精神科専門看護師)

.研究計画発表           15:00〜16:20

1.身体疾患にまつわる「諦め」の構成要素及びプロセスの検討
:がん患者を対象として
発表 高場ちひろ(徳島大学大学院総合科学教育部臨床心理学専攻)

2.精神障がい者の就労支援ツール及び地域連携システム構築の試み
:地域を巻き込むプロジェクトの有効性をどのように評価するのか?
発表 谷口敏淳(福山大学人間文化学部)

Ⅳ.懇親会 

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今回の目玉は、何と言っても、宮田先生のお話。

「赤ちゃんのいのちをチームで見守る:倫理的視点からの検討」

これは谷口が依頼したものです。



「病」をきっかけに、患者さんの人生は大きく変わることがあります。
そして患者さんやその家族は、難しい「判断」に直面し、決めなければなりません。

もちろん、医療者もです。

それら様々な「意思決定」が求められる医療現場において、「意思決定支援」は重要な心理的支援になります。

そして意思決定支援を行う専門職は、臨床倫理についてしっかり触れておく必要があると思っていました。
そこで以前から知り合いの宮田先生にお声かけしたら快諾してもらえ、今回に至りました。

宮田先生のお話では、周産期医療の現場のお話でした。

「お腹の中にいる子どもに障害があるとわかっていたら、どうするか?」

自分も先日第一子を授かったこともあり、とってもリアルに考えさせられました。医療の進歩のおかげで、かなりの新生児の死亡率は現象したとのことですが、それと同時に、産む前から多くのことがわかります。

わかってしまう、とも言えるのでしょうか。

堕胎できる期限が決まる中で、意思決定しなければならない親。
そしてそれを支える医療者。

精神科臨床では触れることのない世界に、圧倒されました。

 

宮田先生のあとは、研究計画発表です。

最初は、徳島大学の高場さんです。
:身体疾患にまつわる「諦め」の構成要素及びプロセスの検討

「諦め」というとネガティブに聞こえますが、「諦めたことで楽になる」というのは誰しも経験があるのではないでしょうか。がん患者さんの「諦め」について、その意味やプロセスを明らかにするというものです。

まだ修士2年生の高場さんですが、とてもしっかりした発表で驚きでした。
修士論文にされるようで、研究の成果をまた報告してもらいたいです。



 

さて最後は、谷口の研究発表でした。

精神障がい者の就労支援ツール及び地域連携システム構築の試み
:地域を巻き込むプロジェクトの有効性をどのように評価するのか?

Grappoの企画隊長としてここ数年は仕切らせていただいていますが、発表は3年ぶり?くらいでしょうか。若干緊張しながら、現在鳥取県で取り組んでいる、地域の実践をいかに研究として落とし込むかを報告してきました。

大阪大学の平井先生からは、計画しているいくつかの調査について、その必要性を問うコメントがありました。研究として必要なことと、こうした具体的な実践で必要なことは異なるため、本当にやりたいことを踏まえてスリム化した方がいいということです。

この辺りは自分なりに考えてきたことなので、再考しようと思いました。

まぁでも概ね無事に終了し、ホッと一安心。

 

まとめはいつもの平井先生(大阪大学)。
最近、先生ともお話ししている企業内のメンタルヘルスケアのお話。

いつ聞いても、新しい視点で刺激になります。
今度、研究を一緒にしていく話などもあり、これから楽しみです!

 

懇親会は、三宮にある「炭トリウオ」(https://tabelog.com/hyogo/A2801/A280101/28021296/)
グルメな友人が勧めてくれたお店だったんですが、どれも美味しかったです。


(写真は宮田先生のFacebookから拝借です)

参加した方々と、強迫性障害の治療の話や、緩和ケアの具体的な支援など、臨床の話で盛り上がりました!

研究や臨床をワイワイ話せるGrappoは、面白い研究会だと思います。
来年も楽しみです!

来年は、どんな企画にしようかなぁ。

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