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ゲームとのつきあいカタログ完成記念!横光先生インタビュー(2022年5月)

2022年9月14日

この春完成した、「ゲームとのつきあいカタログ」。

これはゲームとの付き合い方をまとめたミニ冊子で、ご希望の方に無料で配布しています。








そもそもこの「つきあいカタログ」はどんなものなのか。

そして、なぜ生まれたのか。

どんな思いが込められているのか。

カタログの監修を務めた人間環境大学総合心理学部の横光健吾さんに聞きました。

 

 

――そもそも、どうしてつきあいカタログを作ることに?

サイコロのスタッフと話をしていて、みなさんに身近な困りごとをテーマにしたいなと思ってて。自分の専門が依存症なので、依存症の何かをテーマにしてとは思ってたんです。

そうした中で、じゃあワークショップで依存症についてやって、そこで出た意見をまとめてみなさんに広く知ってもらえるような冊子を作ろうじゃないかという話になったんです。

 

――依存症っていろいろありますけど、その中でもゲームの依存症ってどんなものなんでしょうか?

2018年に国際疾病分類の改定に伴って追加されたまだ新しい疾病だから、専門家でもさぐりながらやっているんですよね。

ギャンブルと比べても、エビデンスが少ない。不十分。

疾病に追加されると研究が加速していくので、5年10年すれば治療方法がいろいろ研究されて、どれが良いかわかってくると思うんですけど、いまは過渡期。日本でも最近研究を始める人が増えてきたくらい。うつなどに比べて治療研究が活性化していない状況ですね。

 

――研究も不十分。じゃあ現場の人は一層対処などがわからないかもしれないですね。

まさに。どうしたらいいかわからなくて、探りながらやっている状況だと思います。

それに、依存症の研究者は日本に少ないんです。これから研究が進む可能性はもちろんあるけど、ギャンブル依存症の研究者も数えるほどしかいない。まずはギャンブルなどの、すでに認知度の高い依存症を研究している人が、ゲームの研究にも参加していくっていう形になるかなと。これから研究するひとを増やすのも大事ですね!

 

――日本では研究する人が少ないということですが、疾病として追加されたということは、大きな問題として認知されてきているんですよね?他国の状況はどうなんでしょう?

研究が進んでいる国もありますよ。中国や韓国では、比較的ゲーム依存症の研究者が多くて。シンデレラ法(12時になるとオンラインできない)など設定していたり。

というのも、数日連続でオンラインゲームをし続けて、結果亡くなってしまうというショッキングな事件も起きていて。放ってはおけない状況になっているんです。

ちなみに、アメリカなどではカジノなどがあり、わが国もパチンコ産業や公営ギャンブルが、収益の一部をギャンブルの研究費として助成していたりするので、研究が進んでいます。国内でのゲーム会社が率先して、自分達の収益の一部を依存症予防や、付き合い方の促進に関連する研究に助成するようになると、ゲーム会社の未来も明るいと思います。実際に、パチンコ産業は、一番稼いでいる時にそういったことをせず、依存症から目を背けていましたので、ゲーム会社も同じ道を歩んでほしくないなと思っております。

 

――結局、ゲームのなにがよくないんでしょうか?

1つは睡眠ですね。夜仕事終わりや学校終わりにやっちゃって、睡眠が短くなる。そうすると朝起きられない。がんばって起きても日中眠くなって。睡眠が十分にとれないというのがよくない。ほどほどでやめて、食事や睡眠をとることができる。学校や仕事に行くことができるのではれば、全く問題はないんです。

どうしてもやめられないということもあるので、場合によって入院するケースもあります。

 

――ゲームがやめられなくて入院?

はい。お酒(アルコール依存症)だと入院することもよくあります。ギャンブルなどでも、自分ではやめられないと判断し、入院するケースがあります。ゲームに対しても、入院は対処法の1つと言えるでしょうね。

 

――ちなみに、横光さんはゲームするんですか?

いまは、スマホのゲームをたまにするぐらい。

大学のときまではしてましたね。DSで友達とポケモンしたりとか。パワプロ、育成ゲーム・・・。でも、1か月くらいすると、「時間の無駄やな!」と思ってやめたりしているって感じですかね。

ポケモンユナイトを半年前くらいに1か月ほどやったんですけど、課金勢にボコボコにやられて、続ける気にならなくて。やっぱりその時にも「時間の無駄だな!」と思ったのでやめました(笑)。

 

――横光さんも結構ゲームをされるんですね、意外でした!しかも「時間の無駄だな」と感じちゃうくらいやったりするんですね。

ゲームって理由なくやってたりするので。ワークショップでも、理由があってやるわけではなくて、最初は「おもしろい」とか「疲れたから休憩に」とか理由があるんですが、一方ではっきりした理由や目的なくやるっていう人も多かったです。SNSもそうですよね。

 

――ワークショップはどんなことを意識して実施しましたか?

主にどういう対処ができそうか、アイデアを出していく形で実施しました。

初めてのことだったので、上手くいくかどうか不安で緊張感がありましたが、参加者のみなさんには、ご自身が実際に関わっている人(当事者さん)をイメージしながら意見を出してもらい助かりました。

コーディネーター(スタッフ)とも連携して、「具体的な行動に落とし込む」というのを大事にやっていきました。ポイントに書いてあるようなことを基本に、実生活に落とし込んだらどうなるか、とにかく掘り下げました。色々なアイデアが既に現場では実践的に用いられているので、サイコロスタッフと一緒にそれを整理してカタログにすることができました。

 

――具体的な案がたくさん出ていて、カタログを手にした人も実践しやすいかもしれませんね。

手立てをいろいろ書いているけど、カタログはあくまでも案だと思っていただければと思います。今のご自身の状況に合いそうな案を試してほしいですね。

そして、これを踏み台にしてオリジナルの対処方法を支援者、ご本人とが一緒になってアレンジしてほしいです。

 

――そうしたみなさんの日々の取り組みが、今後につながっていくといいですね。

その人の特徴、その人がもともと好きなこと、生活に合いそうな方法を探ったり。

その人の特徴と対処法の掛け合わせは無限。臨床の現場で絶対的な正解はありませんから、とにかく試してみることだと思います!

日々試行錯誤して、アップデートして、生活や人生、趣味嗜好に合わせてアレンジしてもらえたらいいですね。

サイコロから今年の11月23日のオファーはまだないですけど(笑)、またみなさんにお話を聞きながらアップデートできるといいのかなと思っています。

今後、厚労省でゲームへのマニュアルが作られる可能性もありますしね。

ゲームがやめられないと悩んでいる方はもちろん、当事者のご家族、学校の先生、支援者さん。ゲームをやめられないことに悩み始めた中高生。多くの方にこのカタログを手にして、

ゲームとの付き合い方の参考にしてもらえたらうれしいです。








横光 健吾(よこみつ けんご)  

人間環境大学総合心理学部、講師。ギャンブルやゲーム、タバコ、お酒などのハマりやすい行動の臨床・研究に従事。「集団認知行動療法を適用された病的ギャンブラーのパチンコ遊戯行動と心理学的要因の変化」をはじめ、ゲーム、お酒、たばこに関する論文多数。6月8日には、新刊「代替行動の臨床実践ガイド:「ついやってしまう」「やめられない」の<やり方>を変えるカウンセリング」を出版。

 







この記事の著者
比和谷 恭子(ひわたに きょうこ)
NHKおよびBSS(山陰放送/米子市)でアナウンサー、リポーターとして勤務。教育、医療・福祉、スポーツなど幅広く取材。現在は、フリーでナレーション、発音・発声指導、接客講習、ライター業務などを行っている。




<サイコロからのお知らせ>

*「ゲームとのつきあいカタログ」は無料でお配りしています!
 ゲームとのつきあいカタログの配布受付はこちら

*2022年11月23日(水)に、ゲームとのつきあいカタログワークショップvol. 2を開催することとなりました!
 詳細が決まり次第、サイコロの各種SNSに掲載いたしますので、ぜひチェックをお願いします。

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